消毒用アルコールが不足している。
幾分ストックしてあったのだが、それも尽きつつある。
残りは2週間分といったところか。
周りの方々も不足していることだろう。
そんな中、ある酒造メーカーが消毒用アルコールを発売した。
発売されたパッケージには英語で
It is a sake that can remove bacteria from cooking utensils
(調理器具から菌を除去できるお酒です)
と記載されている。
実態は消毒用だが、表向きは飲酒用。
制度や法律を変えず、裏技で対応する、いかにも日本的な手法である。
製造・開発において関係省庁に丁寧な「ご指導」をいただいたそうだ。
独特の法律や税制などの結果、生まれてきた製品が日本にはいくつかある。
例えば軽自動車。
税制の抜け道を探った結果生まれた、日本独自の車種である。
自動車評論家によっては自動車の中の「奇形児」と表現する人もいた。いまだったら「ガラパゴス」というべきか。
発泡酒や第三のビールも同様だろう。
とはいえ消毒に使えるのであればありがたい。早速菊水酒造のウェブサイトを見てみた。
取り扱いは2本セットのみ。
価格は2,640円である。
一本500mlあたり1,320円。
手元の「カビキラー キッチン消毒アルコール」は350mlで300円ぐらい。
1,320円÷500ml×350ml=924円 vs カビキラー 300円
…約3倍ではないか。
酒造メーカーは「2018年7月豪雨時の支援恩返ししたい」という思いで製造したそうである。その思いには大いに敬意を表するが、ここまで高価なものは掃除には使えない。
当面、ハイターなどを駆使するしかないか。
しかし、トイレットペーパーやらマスクやら。もう少し柔軟に物事が流れないものか。