豪快八百屋

最近八百屋に行くようになった。
スーパーより安く質が良いからだ。

だが、この八百屋。豪快なのだ。

まず金勘定が豪快だ。
レジを打つ人が値段を覚えてないらしい。そこで奥の人に大声で聞くわけだ。

「ブロッコリーいくらだっけ?」

見かねた客が値段を教えることもしばしば。
レジ打ちもよく間違える。そもそもあのレジは何年物?少なくとも20年は経つのではないか。当たり前だがパソコンとは無縁。キャッシュレスで5%お得?なにそれ?という感じ。

コロナ対策も豪快だ。
数か月前、レジ前に30cm間隔でビニールテープが張られた。ソーシャルディスタンスのつもりらしい。だが狭い店内。客が並ぶ横を店員が肩をぶつけながら荷物を運ぶ。案の定テープは数日ではがれ、通るたび靴の底にへばりつくように。

豪快さのせいなのか、大声のせいなのか。ついつい大量買いしてしまう。

だが、豪快さの影響は家に着くまで。
小心者の私は、家に入るなり野菜を洗い始めるのである。