「分かりやすい文章の書き方」の本が読みづらい

ブログやエッセイを書く人なら、一度は「わかりやすい文章の書き方」的な本を読んだことがあるのではないだろうか。ご多分に漏れず、私も何冊か読ませてもらっている。

しかしこの手の本、書く側からすれば相当のプレッシャーのはず。内容に間違いがあってはならないし、誤植の許容範囲も狭い。さらに、Amazonで「文章の書き方の本なのに、文章がわかりづらい」なんてレビューを書かれたら、相当恥ずかしいのではないだろうか。

結果、この手の文章本は、内容がわかりやすいものが多い…わけではないのだ。

プレッシャーをはねのけ、作者の鈍感力さえ感じさせる、「力作」が結構ある。

先日読んだのもそんな一冊だった。

最初の1ページ。

「読者にとって読みやすい文章をつくるべきです」
「わざと難しい用語を使って、見栄をはるのはやめましょう」

ふむふむ。

「文章がわかりづらくても、あなたの頭が悪いのではありません。文章の書き方が悪いのです」

なるほど。

「…あぁ、こういうことかな?と思って、それでも『隔靴掻痒』」

隔靴掻痒?

ご丁寧に「かっかそうよう」と、振り仮名を振ってるところを見ると、「難しい単語」と知りつつ使っているらしい。

「わざと難しい単語を使って、見栄をはるのはやめましょう」と返したい。
「私の頭が悪いのではありません」と訴えたい。

そんな訳で1ページで断念となりました。

 

※【隔靴掻痒(かっかそうよう)】かゆいところに手が届かないように、はがゆくもどかしいこと。