超合金Z?いや「黄金Z」のマジンガーを買うのは誰か

新聞を整理していたら、あるイベントの広告が目についた。

「大黄金展」とある。

どうせ、仏具の販売会だろう、と思ってたら違った。紙面を占めていたのは、

「マジンガーZ」。あの、巨大ロボットの黄金像である。

特別展示。全国初登場。24金で重量170グラム。そして、価格は495万円。

もはや、知っている人は少ないと思うからあえて書く。

マジンガーZは何で作られているか。「超合金Z」である。永井豪氏の作中ではそうなっている。ウィキペディアはさらに詳しい。

超合金Zは、金属結晶の原子の並び方の乱れ、すなわち格子欠陥のない金属(現実にはミリサイズのものしか存在しない)であり、極めて堅牢とされている。日本の富士の裾野にしか存在しないジャパニウムという架空の鉱物から生成される。

ウィキペディア(Wikipedia)

なんか凄い。「超合金Z」という言葉のインパクトは相当なものであった。当時の子供はイチコロだ。これがきっかけで、玩具メーカー、ポピー(現バンダイ)から「超合金」という亜鉛合金製の玩具(いやフィギュアだ)シリーズが販売されたくらい。

だが、マジンガーZの素材が純金だったら大変困る。「純金Z」、いや今回の展示の主旨からすると「黄金Z」製のマジンガーZ。なんとも、成金趣味だ。ブレストファイヤーを使うと、マジンガーZ自身が溶けて述べ棒になってしまう。到底、暗黒大将軍に勝てそうにない。

とはいえ、金だ。これはこれで魅力ではある。

高止まりしているという金。ウクライナ侵攻後、800円近く上がり、いま1グラムあたり8463円だそう。

このマジンガーZの重量は170グラム。金の価値では144万円。差し引くと彫刻価値は350万円ぐらいか。うーん。買ったとしても、これ売れるのか?

仏像・彫刻買取の「ますけん」によると、買い取りのポイントは、「状態」「作家名」「芸術性」の3つ、とのこと。当然だけど、このマジンガーZに作家名は見当たらない。投資で買う人は少なそう。

「大黄金展」を企画する株式会社SGCのウェブサイトには、

「自分へのご褒美」

とある。この先、これだけのご褒美をあげられるほど、自分を褒めることなんてありえるのだろうか…。