ウェブサイトやメールアドレスの後ろについている.comや.jpなどのドメイン。そのドメインに新たな種類が追加された。
「.rich 」である。
年間の使用料金は22万5千円。
「.com」ドメインが千円~5千円であるのに対し挑戦的なこの価格。
格差社会を後押しするかのようである。
これを扱うドメイン提供会社「お名前ドットコム」によると
・高額なため悪質な登録者が現れにくく信頼性が高い
・リッチをアピールできる
などのメリットがあり、お金持ち向けサイト(?)での運用などが考えられる、とのこと。
こういったドメインが出てくるのは市場細分化が次のステージに入ったということであろうか。
「ターゲットマーケティング」と言う言葉がある。
どんな人に自分の商品やサービスを売るか?を決めることだ。
その際行うのが市場細分化である。
細分化には顧客を
・地理的要因(場所)
・統計的要因(年齢や性別、家族構成、職業、所得など)・
・心理的要因(消費者の価値観やライフスタイルなど)
・行動変数(頻繁に購入する層や、製品に非常に詳しい層、など)
などいくつかの基準で分類する。
この基準のうち「所得」での分類は、かつての日本ではあまり着目されていなかったように思う。
(だいぶ古いが)「一億総中流」という言葉があった。
皆が自分の家庭を「中くらい」の豊かさだと思っていた、ある意味幸せな時代であった。
「団地に住んでて『中流』なんてあるもんか。みんな貧乏人だよ」
そう言ったのは北野武である。
その後、それを裏付けるように自分の所属する階層を意識させられる時代がやってきた。
ぼやけていた日本の階層や格差がいくつかのキーワード
・セレブ(1990年頃より)
・シロガネーゼ(1998年頃 )
・B層(2005年 小泉政権郵政民営化の主な支持基盤として想定)
などによってだんだんはっきりしてきたのだ。
そして、いまや堂々と「リッチ」を謳うこのドメインの出現である。
今後普及していくのであろうか。
ところで頻繁にドメインの広告メールを送ってくれているお名前ドットコムさんだが、今回の「.rich」に限り案内が来ていない。
まぁ当然であろう。ちゃんと「市場細分化」していらっしゃるようだ。
ひねくれ者の私が取るとしたら…
いまのところまだ空いているようだ。