謎の音

熱帯夜。窓を開けて寝る日々が続く。

外気だけではなく、外の音も入ってくる。
ある日から、耳障りな音が聞こえてくるようになった。
缶を蹴飛ばすような「がらんがらん」という音だ。
最初は早朝だけだったが、日ごとに鳴る回数が増え、時間帯もバラバラに。

いったい何の音なんだろう。

答えは、散歩のときに判明した。
通り沿いの神社から、例の音が。

「もしかして…」

お賽銭箱の上にある、鈴のようなもの。
縄を握って、ゆらしてみると。

がらんがらん。

やっぱり!この音だ。
コロナ不況の影響なのか。昼夜を問わず、神社を参拝する人が増えたらしい。

ちなみに、この鈴。本坪鈴(ほんつぼすず)というそうです。
鳴らすのは3回以内がよいとのこと。

では、2回にとどめておこう(がらんがらん)。
あぁすっきりした…いやいや鳴らしたからにはお願いせねば。

「コロナが収まりますように」

おっと。お賽銭も入れなければ。
もう順番めちゃくちゃですね。

 

一文マーケティング

彼女お勧めの、ドライカレーの店に向かう。

ドライカレーとは珍しい。普段食べない料理だ。食べログのレビューを読んで、どうしても食べたくなったらしい。

店のある地元歓楽街へ。普段ならあまり来ないところだ。歓楽街を入って10メートルほど。わかりづらい場所に店はあった。入口にワープロで書かれたメニューと、商品写真が貼ってある。冴えない印象だ。覗いてみると、金曜の夕方なのに客はいない。コロナの影響もあるのだろう。

店内に入り、ドライカレーを2つテイクアウトで注文する。店員の対応はとても丁寧だ。入口左に本棚があり、古いマンガの単行本が収まっている。懐かしい。昭和の食堂のよう。店内は、外から想像するより明るい。見渡すと、清掃が行き届いていることに気づく。椅子に座って待つのが申し訳ないくらい。

袋に入れてくれた料理を受け取り、外へ。私たちが今日最初の客、下手すれば唯一の客かも。気になり、彼女に聞いてみる。どれほどの人気店なのか。食べログの評価はどの程度なのか。

「来たのは今日が初めて。人気なんて知らない」。
そして、
「読んだレビューは1つだけ」
と彼女。

1文だけで食べさせる。どれほどの名文だったのだろうか。

帰宅して、ドライカレーをいただく。ライスの上一面に敷き詰められた挽肉。中央のパルメザンチーズの黄色いライン。店員の対応同様、丁寧に作られている。食べてみると、味がまろやかで、美味しい。量が多いのに、食後の胃もたれも無い。油を抑えているようだ。ありがたい。

店の外観とは、対照的な料理の味。是非応援したい。2つ目となるレビューを投稿するとしよう。

さて。前作を超える文章がかけるかどうか。

これからはラジオだよ。

本日も接骨院。

いつも通り、ラジオがかかっている。

先週から番組が変わり、女性アナウンサーの冠番組となった。彼女は、数日前コロナ検査を行ったそうだ。結果は陰性。だが、大事をとって今回は自宅から放送している、とのこと。

放送開始して数分、音声が乱れはじめる。ノイズが入り、何を言ってるのかわからなくなる。ネット状況が良くないらしい。局のアシスタントが割って入る。

回線が復旧し、話が再開される。コロナ検査の話の続きだ。身を案じてくれた先輩の優しさに感動したこと。その人に感染させずに済み安心したこと。などなど。

話が佳境に差し掛かったところで、今度は突然無音に。またネット障害?それにしては静かすぎる。長すぎる。8秒ぐらいで放送事故ではなかったか。

そのうち、かすかに、ウッ、ウッという声が。

あぁ。わかった。
「アナウンサーが泣いているんだ」

感極まって泣いてしまったらしい。
確かにいい話だった。その先が聴きたかった。そこで無音になった。

泣いてたなら仕方なし!

回線問題やら、この無音状況やら。ラジオの意外性と寛容さが気に入った。
来週も聴くことにしよう。

あぁ依存症ですね

ここ数日、ひどい頭痛に見舞われている。

もしやコロナ?と思ったが、熱は平熱。味覚も正常。嗅覚も、コーヒーの香りがわかるので問題無いだろう。

ん?コーヒー?そういえば、頭痛発生の前日、胃が痛いのでコーヒーをやめていた。以降、今日まで飲んでいない。もしかして、と思いネットで調べてみると…やはりそうだった。

コーヒー中毒である。やめたときの禁断症状らしい。

なるほど。これが「禁断症状」か。タバコも吸わない。酒も飲まない。中毒とは無縁だと思っていた私が、コーヒー中毒。やや感動してしまった。

友人は「中毒ほど見苦しいものはない」と言い放ち、タバコをやめた。

意志力の弱い私。さて。目のまえの淹れたてコーヒー。どうしようか?

 

 

小脇に抱えたものは

八百屋にキャベツを買いに行く。
180円。うん。安い。

会計時に、袋代がかかると知る。
小3円、大5円。
キャベツは特大サイズなので5円。
「なんせ、国に言われちゃってるからねぇ」
店主がぼやく。

いやいや。八百屋さんを責める気は全く無い。この場所で袋を買うってのがなんとなく引っかかってるだけでして。180円に5円かけるってのももったいない気がするし。

「そのまま持ち帰ります」

ということでキャベツを小脇に抱え、家まで小走り。
白いシャツにはキャベツのシミが。

次回からエコバッグを…持っていかないだろうなぁ。
それにしてもなんと世知辛いことか。