CDプレーヤーにドーナツ盤を突っ込むような話だが、実際の商品だ。
5本のレーザー光を溝に当て音を拾う。針では困難だった、傷や反りがあるレコードも再生できる。音質は極めて原音に近い。しかも盤面を傷めない。
基礎技術を開発したのは米国のロバート・ストッダード氏である。日本で発表会を行ったものの、事業パートナーが見つからず。そこで、発表会をコーディネートした千葉三樹氏(エルプ社 代表取締役社長)自身が共同事業者となることを決断する。
音楽がレコードからCDに移行しようとしていた1988年のことである。通常ではありえない判断だ。そこに戦略など無かったのではないだろうか。
だがその判断は正しかった。
今や各国の放送局や図書館が導入し、スティービー・ワンダーやキース・ジャレットなどアーティストからも愛用され、手持ちのレコードをCD化するビジネスまで誕生している。
では早速、子供の頃の雑誌に付いていたソノシートを…え?透明なものは再生できない?
レーザー光線は透過してしまうため、黒色版のレコードしか再生できないらしい。
残念。では手持ちの12インチシングルのCD化をお願いしてみよう。