2011年4月アーカイブ

fishTank.jpg大崎善生氏は恋愛小説家である。2002年出版の「パイロットフィッシュ」は、ある程度の年齢の男の「夢」のような恋愛や女々しさそしてセンチメンタルが描かれていた。


深夜2時。昔付き合っていた女性から電話がかかってくる。「もしもし、私です」。そんな場面からストーリーが展開していくのは、この「ディスカスの飼い方」もよく似ている。当然似たストーリーを期待していたのだが、大きく裏切られた。


この本はまさに「ディスカスの飼い方」が書かれているのである。ページのほとんどがディスカスという熱帯魚の飼育に関連することであり、「パイロットフィッシュ」ではあくまで添え物だった熱帯魚の話題に、段違いのボリューム・情熱が割かれている。ところがその余りの僅かなページに描かれた、かつての恋人との会話や想像、それだけで恋愛小説が成立しているのだ。


私は大変楽しめたが、この作品を面白いと感じるかどうかは、あまりに緻密に書かれている熱帯魚の飼育やその周辺事情などが面白いと感じるかどうかにかかっている。個人的には男性の方にお勧めである。

dogPhoto3.jpg「夏彦 坂下康裕写真展」を見に銀座キヤノンギャラリーへ行く。
今回の被写体は犬、しかもフレンチブルドッグなのだ。写真好き、そしてフレンチブルドッグを飼うことが目標である私にとって、絶対に外せない写真展である。バタバタする年度明けの最中、ようやく最終日に行くことができた。

北海道の野生動物を撮影する写真家である坂下康裕さん。飼っているフレンチブルドッグ「夏彦」とその家族たちの写真集やカレンダー、DVDなどでも有名である。

じゃれる・歩く・走る・笑う。アップあり引きあり。なにより笑顔満載。彼らの愛らしい写真を存分に堪能できる写真展であった。


受付で販売していたポストカードを1つ購入させていただいた。売上は義援金として日本赤十字社と緊急災害時動物救援本部に送られるそうである。被災地に残されたペット達のことが気になっていたので、とても嬉しい。


この写真展で2週間以上夏彦たちと遊んでいない坂下さん。「帰ったら山に連れてってあげなきゃ」と話す笑顔はとても優しかった。

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