読んだ本・読みたい本の最近のブログ記事

densha.jpg地震の直後、
僕達は友達と会ったり、家族と食事するとき、
いかに怖かったか?
そのときどこに居たか?
どんなことを思ったか?
を話しました。

あれから11ヶ月弱。
話題にすることは少なくなりましたが、
この本の冒頭5ページで
彼女が、そのときどんな風に感じたのか?
自分がどう変わったか?を文章で伝えてくれたのはとても嬉しい。

その後のストーリーが霞んでしまうほどです。

 

kariru.jpg近くにあった図書館が取り壊されはや6年。
ようやく昨年3月に新しい図書館が完成。しかも家から数十メートル!これほどの幸せがあろうか!書籍も新しく購入したようで、少し前の新書版も結構ある。
ジャケ買いならぬジャケ借り!未知の作家の本も読んで楽しい時間を過ごさせていただいている。

さて年明けて。こんどは国会図書館が近くにやってきた。といってもwebの話ですが。

国会図書館サーチ「CiNii Books」
http://ci.nii.ac.jp/books/

ここでは大学図書館の本を探すことができる。
「涼宮ハルヒの憂鬱 」で検索。なるほど奈良産業大学にあるらしい...ってなことはどうでもよく特筆すべきはその下に貼られているリンク「カーリル」だろう。

クリックするとカーリルサイトに飛び、その本の
・表紙
・どの図書館にあるか
・Amazonの評価・レビュー
などが表示されるのだ。
さらに、図書館ボタンを押すと地域図書館の予約画面が表示され、そのまま予約できる。
これは非常に便利だ。

一部で批判の声もあるカーリルだが、味気なかった図書館の検索画面に比べ予約前に表紙やレビューが確認できることはとても楽しく、本を読む機会がより増えることだろう。

そしてこのカーリルとリンクを貼っている国会図書館(国立情報学研究所)の柔軟性にも拍手を送りたい。

レビューにAmazonを流用しているこの「カーリル」。「カーリル」とリンクを貼る国会図書館。自前で全てをまかなおうというのではなく、優れた既存のシステムを利用するその手法にはWeb全体の潮流のようなものを感じる。

Eurasia.jpg2011年5月21日。
午前中は夏の日差しだったが、午後になると天気予報通り大降りの雨となった。この雨のおかげで5月5日以来読んでいた「ユーラシアの双子」を一気に読み終えることができた。これだけ時間がかかったということは面白かったということでもある。


主人公石井は、3年前に娘を自殺で亡くし、そのことがきっかけで離婚している。50歳を節目に仕事をやめた彼は、偶然ハローワークでみかけたユーラシア大陸とシベリア鉄道のイラストにときめき、現地へ旅をすることを決意する。

旅の途中、食事中にウェートレスから話を聞く。
「五日前にあなたが座っているその席に、日本人の女の子が座ってた。彼女はシベリア鉄道に乗って地の果てまで行き、そこから海に落ちるんだって。彼女の瞳をみたとき言っていることが本心であることを知ったわ。でも言葉もかけられない。」
「私がこの話をあなたにしたのは、きっとあなたなら彼女を助けてくれるんじゃないかと思ったから。」
このときから、石井はこの女性を追うことになり、一気に話が動き出す。

 
大崎善生は4冊目になる。
前回読んだ「スワンソング」は辛かった。鬱と死を中心に展開される内容には手も足もでない。もうこの人の作品を読むのはやめようかと思ったほど。にも関わらず読む気になったのは、この作品には旅日記の要素が莫大に含まれていたからだ。
上下巻にわたる長編のこの作品はストーリーもさることながら、その旅日記的要素がとても心地よい。ウラジオストックまでいく船中の食事がいかに不味いか。牢獄のようなロシアのシベリア鉄道。ロシアを超えてヨーロッパへたどり着いたときの食事のおいしさの感動。それらがリアルに伝わり、読んでいるこちらまで空腹になってくる。「ディスカスの飼い方」同様、現実感を伝える文章は秀逸だ。男の「こうあってほしい」的願望に基づくストーリー展開や、主人公の過去を引きずる様も相変わらずである。この辺りは好き嫌いが分かれるところであろう。

上下巻600ページを超えるこの作品、大崎善生の旅日記として読んでも十分楽しめる。

fishTank.jpg大崎善生氏は恋愛小説家である。2002年出版の「パイロットフィッシュ」は、ある程度の年齢の男の「夢」のような恋愛や女々しさそしてセンチメンタルが描かれていた。


深夜2時。昔付き合っていた女性から電話がかかってくる。「もしもし、私です」。そんな場面からストーリーが展開していくのは、この「ディスカスの飼い方」もよく似ている。当然似たストーリーを期待していたのだが、大きく裏切られた。


この本はまさに「ディスカスの飼い方」が書かれているのである。ページのほとんどがディスカスという熱帯魚の飼育に関連することであり、「パイロットフィッシュ」ではあくまで添え物だった熱帯魚の話題に、段違いのボリューム・情熱が割かれている。ところがその余りの僅かなページに描かれた、かつての恋人との会話や想像、それだけで恋愛小説が成立しているのだ。


私は大変楽しめたが、この作品を面白いと感じるかどうかは、あまりに緻密に書かれている熱帯魚の飼育やその周辺事情などが面白いと感じるかどうかにかかっている。個人的には男性の方にお勧めである。

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