冒頭から引き込まれました。
こういう映画は久しぶりです。
ドキュメンタリー風に作ったことが功を奏したのか、一気に中盤まで持っていかれます。
ヨハネスブルグ上空に、突然現れた醜悪な姿の異星人。
傷つき自分の星に帰れない彼らを南アフリカ政府は「第9地区」に住まわせるが、そこは一気にスラム化してしまう。それに対処する役割を担ったのが主人公は、「第9地区」で謎の液体を浴びてしまい、自分の体が異星人化していく。周囲の人間も自家族にも裏切られ、自分自身も逃げるために卑劣な行為を繰り返す。時間とともに変貌していく自分の体。極限まで追い詰められた主人公が土壇場で「人間性」を取り戻す・・・そんなストーリーです。
変身していく様子は「ザ・フライ」を彷彿とさせますが、映像的にはそれほどグロテスクではありません。にも関わらず感覚的にとてもグロテスクに感じるのは構成の巧さだと思います。
極限状況での人間の本質をテーマにし、特撮を抑え気味にしたこの映画。SFという体裁ですが極めて人間ドラマでした
映画の最近のブログ記事
この12月に公開された実写版「宇宙戦艦ヤマト」。
公開前の評判はいま一つであった。ところが試写会会場は評判と全く異なる様相を呈していた。
上映時間はるか前にも関わらず長蛇の列!しかも男性多し(特に40~50代)。その方々が楽しげに会話している。スターシャはああだとか、デスラーはどうすんだとか。
そうこれは「お祭り」なのだ。
思えばヤマトはもうやるネタがない。劇場版2作目で死んだ古代進を、テレビ放映で生きながらえさせたり、沖田艦長を「完結編」で蘇らせたり。以降の作品も目を覆わんばかりの出来だった。
そんなヤマト最後の「祭り」がこの実写版である。ヤマト世代の方は是非この祭りに参加してほしい。
「この実写版こそ、宇宙戦艦ヤマトにとって最もふさわしい墓場ではないかね。諸君」
(そうそうデスラー総統はやはり「あの人」でした)
補足
◆楽しめるポイント
・発進シーンはかなりいいです(これ本当)
・倒れた森雪(黒木メイサ)を抱き運ぶ緒方直人の腰は大丈夫だろうか
・エンディングはブルースウィリスに会いたくなる
(なんといってもエアロスミスだ)
◆注意点
鑑賞眼を「ドラゴンボール・エボリューション」レベルに設定する必要があります。