光あれ

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20051226.jpg夜中に目が覚めると真っ赤な光に包まれている。
一瞬驚く。が、すぐに加湿器の水切れ警告ランプであることに気づく。ほんの小さな灯りであっても闇と闇に慣れた目にとっては強い光に感じられるものだ。

人間の光に対する感覚や認知の面白さを感じさせてくれる芸術作品に安藤忠雄氏とジェームズ・タレル氏の南寺(直島)がある。真っ暗な闇の中にポツンとほんの少しの光。最初は真っ暗にしか感じらない。何も見えない。恐怖感に襲われる。ところが数分経つと目が慣れ、かすかな光が感じられ、闇の中にある椅子や、隣の人の姿がわかるようになってくる。このわずかな光を認知する人間の適応力に驚く。入りたての「人間」と入って数分経った「人間」は全く別の能力を持った生物なのだ。
同じように「光の知覚」を扱った作品として面白いのが原美術館のオラファーエリアソン「影の光」展である。さまざまな対象に光を当て、その反射や透過から生まれてくる現象は見ていて飽きない。
作品「Beauty」の入り口は南寺同様、真っ暗で入るとき少し怖い。が、入って見ると高い天井から降ってくる霧、霧に当てられる光、その霧と光の織り成すプリズムの美しさに圧倒される。闇の中から生まれるものだからこそであろう。

2006年に「光」を見出したい方々へお勧めの展である。

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このページは、nouvが2005年12月26日 14:15に書いたブログ記事です。

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