ガラス1枚

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20060213.jpg立春を過ぎたとはいえまだ寒い日が続く。
夜中ともなると窓ガラスに結露がびっしり。
このガラス1枚隔てた向こうは極寒世界 だ。
「ガラス1枚」。
この事について考えさせられたのが安藤忠雄氏の設計した「光の教会」である。
初めて訪問したのは冬の初めの寒い夜であった。
「光の教会」の夜。貴重な経験だ。
この教会の十字架は正面壁にくり抜かれたスリットである。
晴れた昼はここから「光」が差込み美しい十字架を描く。
イレギュラーな夜の訪問者は当然この「光の十字架」を見ることはできない。
さらに、すごく寒い。
この十字架のスリットには厚いガラスがはまっているが、その厚さでも寒さを遮れない。

また建物自体が安藤建築の特徴、コンクリート打ち放し。
教会内は冷蔵庫のようである。

同教会の軽込牧師の話によれば、安藤氏はこの十字架スリット部にもガラスは入れないプランを提案されたそうである。
今ここにガラスがなかったとしたら・・・。
寒さを感じている背筋がさらにぞくっとする。
使うものにとって厳しいプランである。

だが長時間その寒さの中にいると、わずかに差し込んでくる光が建物の寒さと相まって神聖な空気を作っていることがわかる。
「必要なのは快適さ・便利さだけではない」
安藤忠雄氏の持論もこの空間にいればこそ理解できるのであろう。

さて。
ぬくぬくした室内にいる今のふやけた自分にどうやって活を入れようか?
本当の春が来るまでに考えるとしよう  

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このページは、nouvが2006年2月13日 14:21に書いたブログ記事です。

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